防御力に特化した昆虫~カイガラムシ~
こんにちは!
はとです!
みなさんは、カイガラムシという昆虫をご存知でしょうか?
果樹や花木を育てている方は苦しめられた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
カイガラムシは果樹の大害虫として、昔から世界中で知られている昆虫です。
今日はそんな大害虫、カイガラムシについてお話させていただきます。
カイガラムシってどんな虫?
カイガラムシはカメムシ目ヨコバイ亜目カイガラムシ上科に属する昆虫です。
植物があるところにはどこにでもいると言われ、世界に6~7000種、日本にも400種以上のカイガラムシが確認されています。
カイガラムシは植物につくと口を植物の中に差し込んで固定し、そのまま動かずに永遠と吸い続けます。
また、くっついている間、自分のうんこを身にまとって最強の殻を手に入れます。
カイガラムシは殻を身にまとうことによって、まったく動くことができなくなるのですが、この殻は本当に優秀で、殺虫剤をまったく通さないのです。
また、カイガラムシのうんこは甘露と言って、糖分のかたまりなのでべたべたします。
このべたべたにすす病菌がくっついて繁殖することによって、すす病が発生します。
カイガラムシは、300~1000個の卵を産みますし、単為生殖*1ができるので、放っておくと無限に増え続けます。
体の大きさが1cmもない昆虫なので、気づいた時には大発生していたなんてことに・・・
そんなカイガラムシにも弱点があります。
カイガラムシの弱点
最強の殻を身に着けたカイガラムシを殺すことはかなり難しいです。
しかし、殻を身に着けていないカイガラムシは、殻を破るを3回積んだパルシェンよりひ弱です。
つまり、幼虫のうちに殺すのが鉄則なのです!
種類によりますが、5月から7月がカイガラムシ幼虫が発生するピークを迎えます。
7月中旬から下旬にかけてすす病の被害が多発するので、7月になったらカイガラムシを警戒したほうがよさそうです。
カイガラムシの幼虫は成虫と違ってあちこちに動き回ることができます。
また、身体が小さくて風に飛ばされて宿主を変えるのもこの時期です。
被害が拡大するのもこの時期ですが、防除しやすいのもこの時期です。
見つけ次第殺しましょう!
カイガラムシ用の殺虫剤
カイガラムシにはカイガラムシ用の殺虫剤があります。
成分は主にマシン油乳剤です。
オルトランやベニカXなど、多くの害虫に効くような殺虫剤を使う人もいますが、効果は薄いです。
なので、カイガラムシにはカイガラムシ用の殺虫剤を使いましょう!
カイガラムシは、防除できるときに防除しないと本当にめんどくさいことになります。
すす病
カイガラムシが発生した植物では、高確率ですす病が発生しています。
すす病が発生した場合は、真っ黒になっている葉を取り除いたり、黒い部分を洗い流したりして取り除きます。
ベンレート水和剤などの殺菌剤を散布するとより効果的です。
それよりももっと大事なのは、すす病が発生した根本の原因であるカイガラムシを防除することです。
カイガラムシの幼虫の時期であれば殺虫剤で殺せますが、成虫になっている場合は歯ブラシなどでカイガラムシを剝ぎ取ることになります。
かなり大変です。
カイガラムシはいろんな植物に付きますし、防除も大変です。
正しく防除しましょう!
*1:自分が2人に分裂できる。